つむぐ

写真が好きです。

価格を決めるって難しいねという話。

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撮影:2016/09

先日イベントに参加させてもらって、「委託」という形とはいえ
自分の作品を(ZINEという媒体を通して)初めて「売る」という体験をしたわけだけど
自分の作品に自分で値段を決めるのはすごく難しかった。

ytamago.hatenablog.com

悩んだのはこの2点。
①原価にはどこまで含めるか
②利益分としてどれだけプラスするか

①原価にはどこまで含めるか

・用紙代
・インク代
・封筒(ZINEを入れる透明な封筒)
・イベント参加費
・イベント参加費振込料
・写真撮影にかかった費用
 (カメラ、フィルム約80本、現像代、ネガスキャン代、プリント代、交通費)
・その他(これは秘密)
・制作にかかった時間や労力(ZINE の印刷、製本は完全手作業)

ZINEにもいろいろあるけど
今回のZINEはあくまで写真のZINEなので
ZINEの純粋な材料費だけじゃなくて
写真を撮るのにもぶっちゃけお金がかかってるわけじゃないですか。

カメラもこの作品用に購入したし(しかも壊れたから再度買い直した)
2年間かけて撮影してセレクトしたから
最終的に生き残った写真の後ろには
残念ながらお亡くなりになった(=ボツになった)写真も山のようにあるわけで…。
今回のZINE に採用するのはたった20枚とはいえ、されど20枚。
これをセレクトするだけでもものすごくお金と時間がかかってるんですよ、実際は。
(うっ、考えただけでクラクラしてきた…。)
ちなみに上の写真もボツになった1枚。

はい、そこのあなた!どうでしょう?
ここまでを踏まえた上で1冊あたりの原価はいくらだと思いますか?

そう、これをまともに考えたらわけが分からなくなるんですよ。

②利益分としてどれだけプラスするか

そりゃ、誰だって損はしたくないわけじゃないですか。
どうせなら原価にちょっとはプラスαしたいですよね?
だって、ここまで一生懸命頑張ったし!
未熟なのは自分でも分かってるけど、
それでも面白いのができたと思うんだよね、良いでしょ、これ!って。

さぁ、ここで問題となるのが
じゃあその値段でこのZINEを買ってくれる人がどれだけいるか?
このZINE の質や内容(価値)に見合う価格設定なのか?
ということ。

それを考えるとものすごく不安になって
「無理じゃない?え、誰が買うの、この値段でこんなの」
ってなるんですよ。

それから、自分の都合や希望だけじゃなく、ZINEの相場やイベントの客層も考えた方がいいよね。わたしのZINE だけではなく、ライバルとなるZINE もたくさん並んでいる中で、わたしのZINE を選んでもらわなきゃいけない。

そうなると、原価に「写真撮影にかかった費用」をいれて計算するわけにはいかない。手作りで製本するのにどれだけ時間や労力がかかったかなんて、ZINE を手にとってくれる人には関係ないし、むしろ業者に製本を頼んで仕上がったZINE のほうがきっと見栄えもするだろう。値段を高く設定することで敬遠されてしまうのはもったいないのではないか。いくら良い物が出来たとしてもまずは手にとってもらわなきゃ意味がないのではないか。

かといって、値段を低く設定したら、もし買ってくれたとしても大事に扱ってくれないかもしれない。あんなに苦労したのに…それはそれで悲しい。

そんなことをいろいろ考えると
ね…、分からない。本当に分からなくなる。
価格を決めるって難しいね。
いっそのこと誰かに決めてほしいよ…。

で、先日の「ZINEDAY TAIWAN vol.2」では
まずは「売れるか否か」の実験をしようと思って
利益は度外視、原価もイベント参加費だけと考えて
最低価格(諸々を考えるとものすごく赤字)で設定してたんですが、「売れる」というハードルは無事にクリアできたわけで、
それなら次はもう少しちゃんと考えたいなと思いつつ、
やっぱり上記のことを考えると難しくて。
次のイベントを前にまた悩み中です。
ていうか、その前にまた製本(カッターとの格闘)しなきゃいけないのか…。


〜〜〜〜〜
2019/03/03追記
上記のように悩んで考えて決めた価格ですが
価格を上げると売れ行きが悪かったです。
高く設定しすぎたのかなぁ…。
買う側からしたらそこまでの価値はないということなんだろうなぁ…。
やっぱり難しいね!